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20-2
「やだ。俺、もう待てません」
「うん。雄太君がそう言ってくれるから」
ベッドで向かい合って座った二人。
子供の遊びみたいに両手を繋ぎ合わせている。
「こんな僕でいいのかな」
雄太はぎゅっと力を込め、伏し目がちに問いかけてきた和泉の両手を握り直した。
「和泉さん、大好き」
「……僕も」
和泉も、ぎゅっと、雄太の両手を握り返した。
何度も体を重ねてきたのに、まるで初夜みたいだと、雄太は思う。
「ん……いつもより……すごくかたい」
全裸になった雄太の股間に頭を沈めた、シャツ一枚羽織った和泉。
何の施しも受けずに硬く大きく育った雄太のものを、愛しげに、喉奥まで頬張る。
唾液をたくさん絡ませて、いやらしい音を立てて、ペニスを吟味している。
「あ……だめ、和泉さん、それ、やめてよ」
熱心にフェラチオしてくる和泉を赤面雄太は慌てて遮ろうとする。
和泉は悪戯っぽく上目遣いに火照る恋人を見、裏筋に舌端をぬるぬる擦りつけた。
「だ、だめ、いっちゃうからっ」
雄太は咄嗟に腰を引いて執拗な唇からペニスを引き抜いた。
唾液の糸がねっとり連なる。
指にくるくる巻きつけてそれを断ち切った和泉は、体を起こし、眼鏡のレンズ越しに上気する雄太を見つめた。
「今日は、俺、和泉さんのなかでしかイきません」
頑なな雄太に和泉は頬をしっとり紅潮させて、笑う。
雄太の肩に両手を引っ掛けて、跨り、バスケで鍛えられた太腿上に座り込む。
「今日一晩で僕を孕ませるつもりなの、雄太君?」
「……そのつもりですけど」
「ふふ、頼もしいなぁ」
じゃあ、奥まできてもらえるよう、十分に解さなくちゃね。
和泉は雄太の真上で自ら後孔の拡張を始めた。
背中伝いに左手を尻たぶの狭間へ添わせて、くちゅくちゅ、二本の指をゆっくり出し入れする。
色濃くなった先端が薄い茂みから勃ち上がって、すでに腹部へ力強く反り返っている雄太のものに、擦れた。
「ぁ……気持ちいいね」
「い、和泉さん」
「ね、雄太君も手伝って……ね?」
和泉に願われて雄太も手を伸ばした。
すでに二本の指を深々と呑み込んでいる肉の孔に、薬指と中指を、ぐぐっと捻り入れる。
やや窮屈な隙間を練って、締めつけに逆らい、節くれ立つ指を緩々と行き来させる。
「あぁ……雄太君の指、気持ちいい……」
和泉もいつも以上に感じているようだ。
彼は、ここしばらく避妊薬の服用をやめていた。
その状態でセックスするのは生まれて初めてのことで。
「も、もう無理、和泉さん、俺、無理です!!」
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