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25-もしも魔女甥っ子と雄大伯父さんだったら編

雄大の甥っ子は魔女の血を引いている。 甥っ子の母親の遠縁に魔女がいるそうで、当然と言うべきなのか定かではないが、彼にも不思議な力が受け継がれている。 「ちょ、湊、お前また……っ」 その不思議な力で雄大はベッド上で金縛りの刑に処されていた。 三十路の腹の上には美麗なる甥っ子がガキらしからぬ大人びた微笑みを浮かべて座っている。 「いい加減にしろ! このインチキ魔法をさっさと解け!」 「インチキなんて酷い、伯父さん」 「お前のほうがよっぽど非道い!」 母親似の湊は魔女っ子だからと言って黒いケープを羽織っているわけでもなく、襟シャツにグレーのパーカー、半ズボンにハイソックスで、ランドセルを背負う年頃らしい格好をしていた。 ただ時刻は夜の十一時過ぎ、おうちにいなければならない時間帯である。 先刻、ほろ酔い気分でアパートに帰宅し、部屋のドアの前に体育座りしている湊を見つけた瞬間、雄大の陶酔感はバッサリ断ち切られた。 「伯父さん、また合コン?」 野良猫で暖をとっていた湊はそう言ってにっこり笑った。 そして部屋に入れたら、即刻金縛りの刑、である。 「誰かと連絡先交換したのかな」 腹の上に座った湊は雄大の携帯を勝手に操作する。 「んーこれかな、○○△△さん、□□☆☆さん」 それも魔女の力なのか、湊は今日登録したばかりの相手のアカウントを探し当てると。 「し・ょ・う・き・ょ」 単純に指圧の力で外資系保険会社に勤務するアドバイザー二人の連絡手段を呆気なく断ち切った。 「伯父さんのお腹あったかい」 携帯をベッドの隅に放り投げ、スラックスからワイシャツを引っ張り出すと、湊は服の内側で温まっていた肌に小さな手で触れた。 ひんやりした掌はくすぐったい。 それなのに、雄大は、動けない。 「……おい、やめろ、湊」 「伯父さんのお腹で僕の手、温めてるの」 「……」

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