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番外編:ハグの日SS
「柏木先生♪︎おはっよう!」
「あ、西先生おはようございます」
8月9日。
生徒たちは夏休み真っ只中だが、課外授業を希望している生徒のために授業を行う俺たち教師は学校へと通勤している。
まぁ課外授業がなくても教師に夏休みはないので、日曜日以外は基本出勤しないといけないんだけど。
「ねぇねぇ、柏木先生は今日が何の日か知ってますか?」
「今日ですか?」
8月9日。
今日、職員会議とかあったかな…?
俺はデスクにおいてあるカレンダーに目を通した。
別に職員会議があるわけでもなさそうだけどな。
大事な用事があるときは、このカレンダーに書き込んでいるが、9日のところは特に何も書き込まれていない。
「あのすみません。今日なんか大事なことありました?もしかして緊急職員会議とか?」
「いやいや。職員会議はないよ。というか、そんな仕事に関係することじゃないよ」
「あ、そうなんですか!?」
なんだよかった。今日は早く家に帰りたかったんだよね。
今日は千秋さんには内緒で夜ご飯を作ろうって思ってる。
何だかんだでいつも千秋さんが朝も夜も作ってくれるから、たまには僕も家事を手伝わないと。
千秋さんの家に住まわせて貰ってるし。
前作ろうと思って結局作れなかった、白菜と豚肉を交互に重ねるやつ、調べたらミルフィーユ煮というらしい。
それを作ろう。
「おーい。柏木先生」
ぼっーとしていた俺の顔の前で手を振っている西先生。
あ、西先生に今日何の日か聞かれてたんだった。
「あのすみません。やっぱり今日何があるんですか?分からないです…」
「おっけおっけ。そんな柏木先生に私、西が教えて差し上げましょう!」
何故か興奮気味にこちらに顔を近づけてきた西先生。
「今日、8月9日はねーーーハグの日だよ!!」
「は、ハグ??」
何でハグ??
「あっ!8、9…ハグって語呂合わせなんだ!」
「そうそう」
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