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再会は運命的に
――高宮、先生。
聞き覚えのある声。
職員室の入口に立っている長身の男性は、ついこの前助けてくれた人…。電話をかけることが出来なかった人物。本人だ。
「この人が柏木先生」
綺麗な足取りで此方に近づく高宮さん。
歩き方まで綺麗でつい見惚れてしまう。
「柏木先生おはようございます。高宮千秋と申します。担当科目は数学です」
俺の左隣の席に座った高宮さん。
ふんわりと香るレモンの微かな香り。
未だ呆然と左隣の高宮さんを見つめていた俺に不審に思った江崎先生が「ふたりはお知り合い?」と聞いてきた。
「いえ。つい2週間前にちょっとした理由で会って――」
その質問に淡々と答えた高宮さん。
「あの……あの時は―――」
あの時のお礼をもう一度言おうとしていたが、教頭先生が入ってきたところで職員会議が始まった。
職員会議は、俺の挨拶と、新学期のクラス担任の振り分けの話などとても重要なものだった。
俺は、1年の全クラスの現国を、2年3年の現国は西先生が担当することになった。
高宮先生は2年3組の担任となった。
担任を任せられる先生たちはほんとに凄いな。
俺はこっそり隣に座っている高宮さんを見た。真剣な顔で教頭の話に耳を傾けている。
横顔も綺麗だな。ニキビも肌あれもしてない綺麗な肌。長い睫毛。鼻も高いな。
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