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再会は運命的に

 まさか、教職員だったとは思わなかった。  バイト先にお客として来ていた時から、先生だったよね。  スーパーに買い物に来ていた高宮さんはいつも、スーツ姿だった。  高宮さんの横顔をぼーっと眺めていた俺の視線に気づいた高宮さんはこちらを振り向き、視線が合った。 俺は慌ててその視線から逸らした。  びっくりした。  俺は少し赤くなった顔を両手で包み、赤くなった顔を隠した。  俯いて、机を見ていたところに横から小さな二つに折り畳まれた紙切れが目の前にやってきた。  その紙を渡した人右隣にいる高宮さんを見ると、「読んで」と口パクで伝え、紙切れを指差した。  俺はその紙を開いた。  『会議終わったら、数学教室に来て』とあの時と同じ筆跡の綺麗な字で書かれていた。  *  会議は1時間ぐらいで終わった。  先に席を立った高宮さんは、職員室を出ていった。  数学教室の場所も分からないので、他の先生たちに不審がられないように俺もゆっくりと席を立った。 「あれ?柏木先生どうされました?」  立ち上がった俺を見て向かいの席に座っていた西先生がすかさず聞いてきた。 「いえ。ちょっとトイレに……」  俺は持ってきた高宮さんのハンカチを持って、誤魔化した。そんな俺に笑顔で「そうだったんですね。いってらっしゃい」と何も疑わずに答えた西先生。  俺は曖昧に笑って、職員室を出た。

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