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ビールと告白

 気が利いて何もかもスマートにやっちゃう高宮さんは、中身もほんとに素敵な方で、今まで彼女とかもきっといたんだろうな。  いや、今現在だって恋人がいるに決まってる。こんな優しくてかっこいい人に彼女がいないわけないよ。  俺は見たこともない高宮さんの彼女の姿を思い浮かべた。  きっと、高宮さんの容姿に見合うほどの綺麗な方なんだろうなー。  いつの間に、店員さんが頼んでいたビールを持ってきてたのか、高宮さんはグラスを俺のところに置いていた。 「サラダ食べないの?」 「あ」  サラダ、折角高宮さんが取り分けてくれたんだ。食べよう。  俺は「いただきます」と呟き、綺麗に盛られたサラダに箸を伸ばした。 「――美味しい」  そんな俺の小さな呟きが聞こえたのか、笑顔の高宮さん。  アクセントにカシューナッツが入っていて、アボカドとカシューナッツが合うし、ビールのおつまみだ。  その後も、高宮さんが頼んだ料理は全部美味しくて、いつもはそんなに飲まないビールを3杯も飲んでいた。  元々お酒の弱い俺、ビール3杯でかなり酔ってしまい、視界がぐるぐる回っている。  そんな俺の姿を見た高宮さんはいつの間に頼んでいた水の入ったグラスを渡した。 「たかみやぁさーん。これはビールですかぁ?」  渡されたグラスを持ち上げた。 「あぁっ!でもぉ!たかみやさんって呼ぶのはぁいけないですよねぇ~!たかみやせんせーぇって呼ばないとぉ……」 「ふふふっ。いいよ。職場以外なら」 「それじゃあ、ちあきさぁんって呼びますぅ!」 「うんいいよ。じゃあ俺は碧って呼ぼうかな」  ぐるぐる回ったぼやけた視界。うっすらと見える何度見ても見惚れてしまう綺麗な笑顔。 「おれぇ、たかみやさんが好き~~!」 「え、碧?」  戸惑った声音の高宮さん。  でも俺はそんな高宮さんより眠気の方が勝ってしまい、机にうつ伏せて1分もしない内に眠っていた。

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