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理想の朝ご飯

 ***  カーテンから漏れる朝日で目が覚めた。  まだ覚醒しきれていない状態で、昨日のことを思い出す。  昨日の夜、高宮さんと美味しい料理を食べた。  本当に全部美味しくて、お酒も進んだ。  お酒に弱い俺がビールを3杯も飲んでしまった。  そこから記憶がないけど、俺はちゃんと家に帰れ………てない。ここどこだ…?  見慣れない白い天井。見慣れない白いシーツ。自分の家のベットとは違う、ふかふかベット。 「おはよう」  見慣れない部屋を見渡していた俺に、部屋の扉が開いて高宮さんが顔だけ出している。 「朝ごはん出来てるからおいで」 「え?」  顔だけ出していたが、部屋の中へと入ってきた高宮さん。  ベットの上で座っている俺にゆっくりと近づいてくる。 「昨日はすごく酔ってたけど、二日酔いはしてなさそうだね」  ベットの横、俺の座っている横へと膝をついた高宮さんは俺のおでこに手を伸ばした。  少し冷たい高宮さんの手。 「あの…。すみません。此処、高宮さんのお家ですよね?」  俺は高宮さんが自分に触れていることで、心臓がドキドキしているのを一生懸命隠すため冷静を装った。 「気にしなくていいよ。俺の家の方が近いしね」  未だおでこに手を触れたまま、笑顔で答えた高宮さん。  朝からこの笑顔は反則だ。 「………顔を、洗いたいのですが…」  これ以上、高宮さんに触れられているのに冷静でいることができない。 「じゃあ、顔洗ったら朝ごはん食べよう」  そう言い、やっとおでこから手を離した高宮さんは立ち上がった。

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