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理想の朝ご飯
瞳も綺麗な色だよな。
カラコンとかつけてる感じじゃないけど、裸眼でこの色なのかな。
綺麗なヘーゼル色の瞳が、じっと此方を見詰めている。
「………頑張って呼びます」
俺は見詰められているのが恥ずかしくなり、視線を下に向け小さい声で答えた。
「嬉しいよ」
一気に声音が甘い感じになった。
耳にすーっと入ってくる高宮さんの声に少しばかり色気が加わった。
きっと今俺の顔は真っ赤になっているはず。
こんな、こんな、声聞いたら照れちゃうに決まっている。
高宮さんはそんな俺の姿を見てにこにこしている。
「ご飯食べましょう」
俺は誤魔化すため、箸を手にした。
「ふふ。そうだね」
そんな俺を見てまた笑っている。
俺は恥ずかしくて、「いただきます」と呟き、朝ご飯を食べ始めた。
高宮さ………千秋さんの作った朝ご飯はどれも本当に美味しかった。
「すごく美味しかったです!」
キッチンの流しで、食器を洗っている千秋さんの隣に立って、洗剤を洗い流した食器を布巾で拭きながら言った俺に笑顔で「ありがとう」と答えた千秋さん。
卵焼きも俺の好みの砂糖多めの甘い卵焼きだったしな。
何となく千秋さんは甘い卵焼きより塩の卵焼き派だと思ってたけど。
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