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朝から×××

 俺はイったからいいものも、千秋さんは一度もイっていない。  絶対に辛かったはずだ。 「……千秋さんは昨日―――」  抱きしめられたまま、唇は1センチもない近さ。言葉は、徐ろに奪われた唇によって最後まで声に出すことは出来なかった。  喋っていたので唇が開いていたので、そのまま千秋さんの舌が口内に入ってくる。  千秋さんの片手は俺の後頭部を支え、どんどん深くなっていく。  息継ぎもできない。  千秋さんの厚い舌が俺の口内を犯していく。  昨日発見した俺の弱い部分、歯列の裏をなぞり俺の舌を軽く噛む。 「……んっ」  千秋さんのキスは気持ちよくて、少し朝勃ちしていた下半身が反応する。  千秋さんも俺の下半身の反応に目敏く気づき、絡みついてきた膝で軽く押す。 「……あっ」  口内を舌で犯しながら、膝は俺のものを刺激する。  息を懸命に取り込む、その度にくぐもった声が勝手に出る。  唇からくちゃという卑猥な音が鳴り響き、休日の朝に似合わない光景に恥ずかしくなる。  駄目だ。このまま、流されてまた俺のほうがイッてしまう。  今度は俺が千秋さんに気持ちくなってもらい、イッてもらわないと。  昨日中途半端なところで気絶してしまったんだから。  そんな願いが分かったのか、ただ苦しくなったのか、口内を犯していた唇がゆっくりと離れた。  離れるときに、糸引く唾液が妙にいやらしくて、濃厚すぎるキスをしていた事実を視覚で突きつけてきているようだった。 「……はぁはぁ」  キスだけで息が荒くなっている俺に比べ、涼しい顔をしている千秋さん。  にこにこ微笑んでいる。 「朝からやりすぎちゃったね。でも寝起きの碧が可愛かったのがいけないんだよ」  俺の髪を優しい手つきで撫でて、毛先を指で遊んでいる。 「……っ。お、俺、昨日途中で気絶しちゃって…千秋さん中途半端なところで放置しちゃってごめんなさい…」  なんとか正常に息ができた俺は髪を笑顔で弄っている千秋さんに向かって言った。  昨日の夜のようにギラギラした瞳ではなく、普段のヘーゼル色の綺麗な瞳のまま。 「碧は気にしなくていいよ。また今度、最後までやろう?」  俺の頭を優しく撫でながら、少し俯いている俺の顔を覗き込んだ。

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