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突然の訪問者
シャワーを浴び、バスルームを出た。
リビングにはまだあの女性がいるのだろう、声がする。
どうしよう。
俺はリビングに入ってもいいのか…。
もういいや。考えるの面倒くさい。
入っちゃおう。
俺はリビングの扉の前でうじうじ考えていたが、心の中でよしと呟き扉を開けた。
「あらー!」
ガチャという扉を開ける音に真っ先に気がついた女性がソファーに座ったまま此方を見ている。
少し明るめの茶色の髪はふわふわしていて、すごく綺麗な人だ。
「碧くんごめんね」
リビングの扉を開けたまま固まっている俺に、キッチンへ立っている千秋さんが困ったように言った。
きっとこの人を追い出すことができなくて、謝ったのだろう。
「あぁー。この子が碧くん!」
立ち上がった女性は俺よりも身長が高く、手足も長くてスタイルがかなり良い。
綺麗な歩き方で俺へと近づくと、「よろしくね、碧くん」と手を差し出した。
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