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涙の雨そして親友の優しさ
――だいぶん仕事にも慣れ、季節も春から夏へと変わった。
期末考査も終わり、生徒たちはあと数日後の夏休みがくるのを待っている。
あの始業式の日以来、遠藤くんとは喋ってない。
ほかの先生に用事があって、職員室に来ている姿は何度か見かけたが…。
「柏木先生、お先に失礼しまーす」
「お疲れ様です」
仕事をしているふりをして、パソコンでロールキャベツのレシピを調べていた俺に、席を立った西先生が声をかけた。
やっぱり、料理初心者にロールキャベツはハードル高いかなー。
「ロールキャベツ 簡単」で検索してみたが、難しそうで自分に作れるかどうか不安だ。
でも今日、千秋さん仕事のあと少し用事があるから遅くなるって言ってし、ご飯作りたいんだよな。
いつも千秋さんが作ってくれてるし…。
この際、ロールキャベツじゃなくて、白菜と豚肉を交互に重ねたやつ…料理名がわからないけど、それ作ろうかな。
それだったら、巻かなくていいし。
よし、それにしよう。
俺はパソコンの電源を切り、学校を後にし、帰りにスーパーに寄って食材を買った。
*
Tシャツとチノパンに着替えた俺は、キッチンに立った。
「…まずは白菜を洗って……」
俺はスマホの画面でレシピを開いたまま、料理に取りかかった。
よし、あとは鍋に白菜と豚肉を交互に敷き詰めるだけ。
俺は洗った白菜と豚肉を順番に敷き詰めているときに、ふと気付いた味付け。
コンソメがいいよね。
でも味付けのことまで考えていなかった俺は、コンソメを買うのを忘れた。
家にあったかな…。
俺は調味料が収納されている棚を確認した。
「……ない」
仕方ない、近所のスーパでコンソメ買ってこよう。
俺は鍋に蓋をし、財布だけを持ってスーパーへと向かった。
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