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甘い甘いひととき

「……千秋さん…ごめんなさい。俺、汗かいた体で…」  俺も横向きになり、千秋さんの顔を至近距離で見た。 「今更だよ?俺は全然気にしない。むしろ、碧の汗のにおいにちょっと興奮しちゃった」  千秋さんは俺の頬を撫で、額にキスし、鼻の頭にもキスをした。  それがあまりにも恥ずかしくて、ギュッと目を瞑った。 「―――また今日の夜もやろう?」  甘い声で囁いた千秋さんに、瞑っていた目を開けた俺は、視線を逸らしながら頷いた。  こんなにも幸せで気持ちよかったのは、やっぱり千秋さんだったから。  俺は千秋さんに抱きついた。 「何?碧、誘ってるの?夜まで待たないよ」  千秋さんはまたにやりと笑った。  千秋さんのこの意地悪に笑う顔も好きだな。  俺はそんな千秋さんの頬にチュッとキスをして、温かい胸の中に顔を埋めた。 「――もう、碧それ反則だから」  俺のつむじにチュッとキスした千秋さん。 「あぁー、シャワー浴びてないから汚いのに……」 「だから今更だって。俺も浴びてないよ?」  胸に埋めていた顔をあげた俺の唇を奪った千秋さん。 「さて、もっと引っ付きときたいけど、俺の理性が爆発しそうだから…。シャワー浴びておいで」  唇を離した千秋さんは、いつもの綺麗な微笑みを浮かべている。 「………千秋さんがいいなら、俺シャワー浴びてからでも、いいですけど…」 「あぁー、もう!碧可愛すぎ、じゃあ今日1日イチャイチャしてよう」 「はい」  ――俺の彼氏は、優しくてかっこいい俺には勿体無いぐらいの人です。 「千秋さん、大好きですっ!」

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