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邪魔者二人
「彩さんにまで嫉妬しないの。てか、この前はありがとね。彼のサイズにぴったりだった」
「……いや、まぁいいけど」
この前というのは、碧がたまたま俺と悠花を見かけたとき。
悠花に頼まれ、旦那になる彼用のプレゼントを一緒に選んでいた。
「はじめまして、碧くん♪」
悠花が碧にテンション高めに挨拶した。
「…あ、悠花さん…?」
「あら~、私の名前知ってるのね~?よろしくね」
そう言い、碧と握手した悠花は、俺に一言「帰るわね~」と言い、未だ後ろから抱きついてる姉さんを引っ張っていった。
「ちょっと、悠花!」
「もう邪魔者は帰るよ~!碧くんそれじゃあ、ごゆっくり~」
「ちっ、悠花のケチっ!!碧くんまたメールするね」
ふたり騒ぎながら、家を出て行った。
「……え、てか彩さん俺の連絡先知ってるんだ…」
ぼそっと呟いた碧。
姉さんに自分から教えたんじゃないのか…?
「…なんか、ごめんね」
俺はうどんを食べるのを再開している碧の前に座った。
「いえいえ。彩さん面白いし全然いいですよ」
優しい碧は何ともないという表情で、俺に優しく笑いかけた。
やっぱり、碧のこういう優しくて、誰もを安心させるような笑顔が好きだ。
そういえば、俺が最初に碧を見かけたときもこんな笑顔浮かべてたな――。
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