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君を好きになった瞬間

 自分でもいうのもあれだが、俺は割とかっこいい、美形に入る顔立ちで、それなりにモテた。  元々、男しか好きになれない俺は、女には興味なかったけど、学生の頃はそういう所のバーで知り合ったやつと一夜限りの割り切った関係で、遊んでいた。  そんな俺がたった一人の男性によって、こんなにも変わることにも自分でも驚いた。 「ねぇ、あんた最近、よくあそこのスーパー利用してるんだって?」  休日。勝手に俺の家にやって来た姉さんは、ソファーに脚を広げて座ってる。  女性なんだからもっと恥らいを持て。てか、モデルだし。  俺は口には出さなかったが、その姿を横目で一瞥した。 「何でわざわざ遠いスーパーなんて利用してるの?あんた家の近くにもスーパーあるじゃない」 「……別にいいだろ。あそこのスーパーにしかない物があるんだよ」 「ふ~ん。物じゃなくて人だったりね~」  意味深な笑いを浮かべている。  図星なだけになにも言えない…。 「まぁいいけど。私も今日あのスーパーに行ってみようかしらね…」  そう独り言のように呟いて、俺の家を出て行った。  その後すぐ元々、俺がゲイだと知っていた姉さんに彼に惚れてしまったってバレたんだけど。  なんか、やっぱり血の繋がった姉さんだけあるな…何でもお見通しというところが腑に落ちなかった。

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