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少しの不安と可愛い嫉妬

 ◇◇◇  朝昼兼用のご飯を食べ、ソファーに座ってのんびりしている。  千秋さんも食器を洗って、俺の隣に座ってきた。  その距離が妙に近くて、膝同士が当たる。  俺はドキドキと高鳴っている鼓動を誤魔化すように、「テレビ点けますね」と無駄に大きい声で言ってしまった。  そんな俺にぷっと吹き出したように笑った千秋さん。  ……恥ずかしい。  俺は順番にチャンネルを変えていく。  休日のお昼。特に面白そうな番組はやっていない。 「…あっ、このドラマ懐かしいね」  順番に変えていくうちに、何年か前のドラマの再放送をしていた。  千秋さんが興味を示したようなので、そのドラマを観ることに。 「これ俺がまだ大学の頃やってたやつだな」  千秋さんが大学の頃って、バイトでモデルをやってた頃か…。  きっとその頃からモテたんだろうなー。  あ、でも千秋さん女性には興味ないって言ってた…。  でも千秋さんのその容姿なら男にもモテただろうな。  千秋さんが昔付き合ってた人、どんな人なんだろう。  付き合ったことない。なんてことはないはずだ…。  かっこいいし優しいし、料理上手だし、それに……エッチだって上手だ。  男性同士のセックス。経験したことないと…男の性感帯を熟知してないと、あんなに上手な愛撫はできない。  ほかの人にも甘く囁いて、エッチしてたんだ……  俺は見たこともない、千秋さんと昔関係のあった人と千秋さんを想像した。  はぁー。  昔の人に嫉妬するなんて、俺めんどくさい恋人だよな…。 「そういえば、このドラマにレンも出てるんだよ?」  千秋さんが、ぼーっと考え事をしながらテレビを眺めていた俺の方を見た。

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