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少しの不安と可愛い嫉妬
「これだって、付けたのは碧が初めて」
上から下と何度も首筋を撫でる。
「碧の白い肌にもっと痕を付けたい」
一気に低くて、色っぽい声へと変わった。
瞳もギラギラ熱っぽいくて、凄絶なほどの色気がダダ漏れている。
俺はそんな千秋さんから、目が離せずじっと見詰めた。
ゆっくり近づいてくる千秋さんの顔。
――キスされる。
俺はそのまま目を瞑って、重なる唇を待った。
……が一向に唇に柔らかい感触は起こらない…。
俺は不思議に思い、ゆっくり目を開けた。
視界には先程よりも近い千秋さんの顔が意地悪そうに笑い、俺を見ている。
毛穴まで見えるほどの至近距離で、顔を見られていたことに恥ずかしくなり、一気に熱が上がる。
「……キスを待っている碧もかわいい」
真っ赤な俺の頬に触れ、赤くなっている耳たぶをつまむ。
熱くなっている耳たぶに、千秋さんの手が冷たく感じる。
「碧から俺にキスしてよ」
冷たい指が気持ちよくて、目を細めていた俺は千秋さんの言葉で一気に目を開いた。
えっ…?
俺から千秋さんにキス…?
そんなの無理…。恥ずかしいよ…。
「…ね、お願い?」
請うような表情の千秋さん。
こんな千秋さん初めて見る。
俺は千秋さんの新たな表情の発見に嬉しくなり、自分から千秋さんの唇に触れるキスをした。
1秒もないぐらいの短さで、唇を離そうとしたがそれよりも先に、千秋さんが俺の後頭部に手を回し離れようとするのを妨げ、俺の上唇を食む。
そのままぎゅっと押さえ込み、俺の口内に侵入した千秋さんの舌。
口内を知り尽くしている千秋さんの舌が、歯列の裏を舌で撫で、舌を軽く噛む。
千秋さんとのディープすぎるキスが気持ちよくて、自分からも舌を絡める。
長い時間、舌同士を絡めていた俺たち。
最後にチュッと舌を軽く吸って、離れた千秋さんの唇。
離れる際に、やらしい銀色の唾液の糸が俺と千秋さんの唇の間を繋いでる。
その銀色の糸があまりにエロく、いやらしくて思わず俯く。
俯いている俺の頬を先ほどのように千秋さんの長い指が優しく撫で、そのままぎゅっと抱きしめてきた。
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