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花火大会りんご飴の情欲
「……あっ。てか今何時だろ…」
顔を両手で覆ったままの碧。
「えー…4時だね」
近くに置いてある時計を覗き込めば、4時を少し過ぎたぐらいを示している。
「……4時!?」
あまりにも驚いたのか、バッと顔を隠していた両手を退けた碧。
「…うわぁ…寝すぎた…」
落胆している。声も寂しそうに聞こえる。
「せっかくの休日なのに寝て過ごしちゃった……」
はぁっと大きいため息も吐いてる。
可愛いけど、そんな落ち込んだ碧は見たくない…。
あっ!
「――じゃあ花火大会行く?」
「…花火大会、ですか?」
声が少し上がった碧。
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