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第3話
今年も来ない人を思い空を見上げる。
最後に会ったときと同じ満月だった。
「リドル…どうしてる?」
「こんばんは!」
こんな夜中に誰?急にかかった声に驚き窓の外を見る
「寒くないの?」
大きな声で言うから近所迷惑になってしまう
っていうかここ…四階なんだけど…何で?
「ふふっ。毎年見てたよぉ。紺青 夏さん」
「何で…俺のこと」
「だって…来ない人を待ちわびる姿なんて俺の大好物だもん!俺ねぇ一応悪魔ね。そんな力はないけど君から出てる負のオーラ最高に美味だよ!!よいしょ」
そういうと勝手に俺の部屋に降り立った。確かに背中には漆黒の翼があって姿形が絵本の中でよく見る姿。
でも実物は思ったよりも小柄で子供っぽい
「あぁ!今失礼なことを考えたでしょ!!」
「いや。勝手に入ってこないでくれる?」
「trick or treat?」
「え?あぁ…ちょっと待って」
奥からお菓子を取り出して彼に渡す
「ありがとう。そんな君には俺からお礼」
そういうと彼は何か言いながら手を翳し振り下ろす
下ろした手の先に光
「覗いてごらん?」
明らかにおかしいのに体は勝手に動いてその光を覗く
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