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第4話
「リドル?」
「ふふっ。雰囲気変わっちゃったのによくわかるね」
「どういうこと?」
「ん?あのねぇ。あのわんちゃん輪廻の輪に戻って転生し君に会いたいってまぁ色々指令を出されてこなしていってたの。んでねぇやっと輪廻の輪に戻り転生したんだけどね。君の記憶は全くない。聞いたことはある?生まれ変わるとき記憶は全て消されるって」
「なんとなく…」
「通常はね一旦輪から外れたものが戻るためには短くても50年以上はかかるの。それをたった1年でこなした。まぁその分相当な辛い試練を与えられてきたんだけど。君のこと忘れちゃうってわかっててもそれを選んだ。でもねぇ記憶ないから今彼が思ってるのは違う子。これからもそうだろうね。ちなみに齢10ね。君よりも随分と年下。それでもまだ君は待つ?再会したとてわんちゃんが君を愛する保証はないのに」
「…会いたい…俺の思いが叶わなくたっていい。だから…姿を見たい」
「なら。俺と契約する?」
「契約?」
「君の体液ちょうだい?そしたら俺は君の僕となる…さぁ。どうする?」
「こーら!!君は好き放題言って」
「あ…見つかっちゃった」
そこには彼とは正反対の真っ白な人。純白の羽を背負っていた
「お初にお目にかかります。ミカと申します」
上品な動きで挨拶をする人
「えっ…と…」
「あの子はここに必ず来ます。だからもう少し待って」
「来たって君を思ってないのに?」
「いいえ。彼はきっとあなたに惹かれる。あの子の中に眠るものがあるのだから」
「そんなの綺麗事でしょ?そんなに都合よくいかないよ?」
「あの…俺待ちます…悪魔さんもミカさんもありがとう」
「うん」
「ばっかじゃないの?辛い思いするかもしれないのに」
「うん。でも…待ちたいんだ…ありがとう」
「アミー。諦めなさい」
「えぇ…絶対俺の方が喜ばせてあげられるのに。何でもしてあげられるのに」
「君は悪魔でしょ?」
「うん。そうだよ」
「アミーは元は天使ですよ。悪戯が過ぎてこうなってしまったけど本当は心の優しい子なんです」
「んなっ…ミカ!」
「この子ったらあなたに恋してしまって…」
「ちょ…余計なこというなぁ!!」
「そうなの?」
「一途に彼を思う姿に何かしてあげたいって思ったんでしょ?」
「ちがっ…俺は契約してこいつの命を喰らおうと…」
「アミー様?ありがとう」
「様?そんなんいらねぇよ!あーもう!バカバカしい…付き合ってらんない。帰る!もう好きにしてよ!」
そういうとアミーは飛び立っていった
「夏さま…まだもう少しお時間がかかるかもしれません…」
「これまで待ったのです。いくらでも待てますよ」
「何かあればこれを」
そこに差し出されたのはクリスタルのネックレスだった
「これを胸に抱き私を呼んでいただければいつでもやって来ます。お守りとして持っていていただけないでしょうか?神のご加護をそれに封じております」
「ありがとうございます」
「あ!!忘れてた!」
アミーが戻ってくる。
「これ。やる」
アミーが差し出したのはオニキスのブレスレットだった
「じゃあな!!」
「これは成功を願うためのものなのです。では。私も失礼いたします」
深々と頭を下げ飛び立っていった
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