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第5話

更に年を重ねた。 今日もまたいつか会えるかもしれないリドルを思い過ごす。 今年もまたリドルは来ない。代わりにあれからアミーとミカが毎年訪れる。 「二人は毎年来てくれるけど大丈夫?色々と」 「えぇ。私たちはこの日は必ずあなたとお会いするよう仰せつかっていますから」 「僕以外にもいるだろうに」 「神の気紛れでしょう。私たちは神の命には背けませんから」 二人が笑う。二人とも人ではないからかその笑顔は美しくもあり恐怖でもあった。 「さて。そろそろ戻りましょう。アミー」 「今年は早いんだね」 「えぇ。ではまた」 ふっと二人が姿を消した。 「寝るか…」 翌朝。いつもの時間に目覚めていつものように支度をしていつものように通勤する。 何ら変わらない日常。気付けば仕事もそれなりの地位が与えられ上からも下からも挟まれ日々を過ごしている。 「おはようございます。課長」 「おはようございます」 「課長。おはようございます」 「おはようございます」 「先程社長から内線が入りすぐに来て欲しいとのことでした」 「そうなのですね。わかりました」 重厚な社長室の扉を開ける 「おはよう!紺青!」 「おはようございます」 「…夏…相変わらずかったいなぁ…」 「いやいや」 「昔みたいに名前で呼んで」 「流石に会社の社長にそんな無礼なことは出来ませんよ」 そういうと椅子から立ちあがりこちらへ歩み寄ってきた… 社長は実は中学時代の先輩で入社してたまたま知ったのだ。 「ねぇ。夏。最近また痩せた?」 「そうですか?」 「お前元々華奢なんだからちゃんと食べないと。飯ちゃんと食べてるの?」 「食べてますよ」 先輩は目線を僕に合わせ見つめる。この人は本当に距離感が近い。 「社長…近いです…」 「そうだね。お前限定だけどね」 そういうと啄むようなキスをしてきた 「ちょっと…何やってるんですか?」 「お前の唇うまそうだったから」 「こんなことするために呼んだんじゃないでしょ?何ですか?要件は」 「相変わらず連れないねぇ。あんなにも可愛く啼けるのに…」 「それは過去の話でしょ?」 「俺は本気で君を欲しいんだけどね」 「奥さんも子供もいるのに何言ってるんですか?」 リドルが来なくなって飯も喉を通らなくなり体調を崩したことがあった。弱りきった俺をみかねて社長が暇を出した。 その時精神的に参っていた俺の元を訪れ一度だけ…体の関係を持ったことがある。 事が終わるとしてしまったことに後悔をしてしまった。 その翌月。社長は結婚したからだ。 ただの気紛れ…とはいえ奥さんという恋人がいたのを知らず求めてしまった自分に嫌悪感を持った。それからはプライベートでの連絡は控え仕事でも極力会わないようにした。 「要件は何ですか?」 「今日お前の課に新入社員が来る。俺の息子だ」 「は?」 「でも俺の息子ということは誰にも知られたくない。それが息子の願い。だったら信用できるのはお前だけだからお前に任せたいんだ」 「…わかりました。息子さんは何時頃こられますか?」 「もう時期にくる」

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