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第9話

「ん、ぁ……あっ……あぁ……」 ぐるりと腸壁を掻き回し、広げていく。それから抽挿を始める。リョウはひくりと身を震わせ、魅惑的な吐息をこぼしていた。萎えていたペニスがもたげ、圭一郎の指が動くのに合わせて陰嚢と共に揺れる。襞もなかも、情熱的に蠢いていた。 「けーくんっ……あっ、あっ……も、ほしい……!」 「まだだ……もう1本……」 「……ひぁ、ッ……は……ァ……」 ぬらぬらとした人差し指に中指を添え、アナルに入れてゆく。狭い直腸を掻き分け、根元まで埋めたところで、くぱと穴を広げた。襞を内側から愛撫すれば、リョウは泣きそうな声をまろび出し、背中を大きくしならせた。 「あぁ……気持ちぃ……ぁ、ぅ……」 それなら良かったとあごを引き、圭一郎は熟れだしたそこをさらに弄った。十分に解れたところで指を抜く。どろどろになった窪みは、物欲しげにひくつき、唾液と体液が混ざり合ったものがくちゅくちゅと音をさせ、ひどく扇情的だった。 ぱっくりと空いたその穴にそそり立つものを挿し入れようとした。が、その時、リョウが産まれたての子鹿を思わせるよろよろとした動きで、こちらを向いた。なんだ、なんだと思っていると、彼は射精後の脱力感と疲労を薫らせた笑みを見せ、「けーくん、疲れてるでしょ?」と言ってくる。明らかに、お前の方が疲れてると返せば、そよ風のような笑い声を吹いて、彼は圭一郎の肩を掴み、白い樹脂床に尻餅をつかせた。 「俺が動くね?」 「……いいのか?」 リョウは笑みに艶やかを含めると、するりと圭一郎の膝上に跨り、屹立をやんわりと掴んだ。孔に亀頭を宛てがい、じっとりと蒸れた眼差しでこちらを見下ろしながら、ゆったりと腰をおろしていく。 ……指を入れた時よりもはっきりと聞こえてくるその音は、ナイフで肉塊を抉っているかのようだった。おぞましくて、かつ官能的だ。恋人の排泄器官は、棹をきつく食んでいく。灼けるように熱く、うっとりとするほどに甘く、脳髄が激しく揺れるまでに淫らで、快感が激流のごとく全身を駆けていった。 「……あ……ッ……ぅ……」 「はぁ……ぁ、あ……ふふ……」 思わず唸るように喘いだ圭一郎を見て、紅潮させた顔をわずかに歪めていたリョウが、愉しげに笑った。雄をすべて咥えると、両腕をだらりと圭一郎の肩にかけてくる。 リョウの陶酔しきった吐息が、唇にたっぷりとかけられた。次いで、ねっとりと塞がれる。互いに相手の口腔を貪った後、唾液の糸を伸ばしながら口づけを解いた。

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