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☆15

『彼と連絡とってたの?』 草壁さんが 直紀の方から視線を外さずに問う。 『え・・・?いえ、別れてからは全然。』 ・・・連絡手段(スマホ)ないし。 『ヒナちゃんが ここにいる事は?』 『え・・・知らなかったと思います・・けど?』 (シン 曰く)予想はつくかも・・だけど。 『ふぅん・・・。』 『・・・・・・・・・・?』 意味ありげに頷く草壁さんに どういう事なのか と、尋ねると 草壁さんは 肩をすくめて 『じゃあ、彼は新しい出会いを求めて 来たのかもしれないね。』 と言って、ゆっくり俺を見た。 『え・・・・・・・?』 ―― 新しい・・・出会い? 『新しい・・・・出会い・・・・・』 『そう。だって、 ここは そういう場所でしょ?』 『・・・・・・・・・・・・・・・・・。』 ―― そういう、場所。 『そっか・・・・・。』 ・・・はは。 そっか。そうだよな。 俺と出会ったのも ここで・・・。 俺と別れたから次の人を見つけに来た・・・ それだけの事。 なのに俺は・・・ 会いに来てくれたのかも、なんて。 『バカみたい・・・・。』 ギュッと目を閉じて下を向く。 『ヒナちゃん。』 そっと、肩を抱く草壁さん。 優しくされると、涙が零れそうになる。 『ヒナちゃん、今日はうちにおいで?』 『・・・・・・・・・。』 『何もしないよ? ただ、うちで ゆっくり休んだらいい。』 『・・・・・・・・・。』 どうしよう・・・。 直紀にあって、俺は動揺してる。 こんな時 1人でいたくない。 ・・・けど。 こんな気持ちで、草壁さんに甘えても いいのか・・・分からない。 その時、 『ハイボール出来たよ。』 タイミングよく、マスターの声がした。

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