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『ヒナちゃん。難しく考えないで?』 何も言えず、俯いたまま 動けない俺に 助け船を出してくれたのは、草壁さん。 『え・・・・・?』 『シンプルに考えて。今日、これから 僕と、直紀くん・・どっちに抱かれたい?』 『は・・・?え・・・?』 『朝、誰の腕の中で目覚めたい?』 『え・・・・・・。』 ニコッと笑って、両手を広げる草壁さん。 まるで、この胸に飛び込んでこい、と 言わんばかりに。 それを見た直紀も、同じように 腕を広げて、俺を見る。 『陽向。俺を選んで?』 『ヒナちゃん。まだ僕に気持ちがなくても、 直紀くんと寝るのが嫌ならこっちだよ?』 『うるさい!黙ってろよ!』 またも、睨み合う2人。 『え・・・・え・・・・?』 どうしよう。 どうすれば・・・。 えーと、なんだっけ。 ・・・シンプルに? (間違えちゃダメ) (誰かの言葉に惑わされないように) (自分の気持ちに正直に) シンの言った事が、ふいに甦った。 俺は・・・・俺は・・・・ 大きく息を吸い込んで 真っ直ぐにその人の目を見て 覚悟を決めた。 俺が 今、一緒にいたい人は・・・・ 俺が 今、抱いてほしい人は・・・・ この人。 『く、草壁さん・・・!』

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