陽向とシなくなって、５日。 何かと理由をつけて、逃げていたけれど もう･･･何も思い浮かばない。 陽向に嘘をつくのもツラくなってきて 今日は、残業だと連絡を入れて フラフラと夜の街を歩き回っていた。 陽向と出会う前によく行っていた 馴染みの店がある通り。 そこに久しぶりに行こうと、角を曲がると すぐに 古びたラブホがある。 ゲイが集まる店が数軒、近くにあって そこで出会ったヤツらが 手っ取り早くコトを済まそうと ここに立ち寄る･･･のだが。 そこで、俺は･･･やたらガタイのいい男に 肩を抱かれた陽向が、仲良さげに 入っていくところを見てしまった。 『ウソ･･･だろ･･･。』 やっぱり、お前は･･･ 俺を好きなんじゃなくて･･･ 誰でも･･･いいのか？ 誰でも････。 俺じゃなくても。 心がザワザワと騒ぎ出す。 信じたくない。 信じたくない。 でも、見てしまった･･･。 なんで･･･ なんで･･･ 頭の中が真っ白で、何も考えられない。 自分がどこに向かっているのか どこに行きたかったのか 分からないまま、 あてもなく歩き出す。 視界がぼやけて、 自分が泣いているんだと気づいた。