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グータラなキミと。☆3

情けない・・・。 自分で 仕掛けておいて、 こんなに・・・、 泣くほどツラいなんて。 『バカだなぁ、俺。』 試すなんて事 しなきゃよかった。 毎日、抱いてたらよかった。 知らなきゃ よかった・・・。 今じゃなくても、いずれ、 別れる事になってたのかな・・・。 飲んで、憂さ晴らしでもしようか、 適当な相手を見つけて抱いてやろうか、 ・・・なんて、出来るほどの余裕もなくて せめて、陽向が帰る前に家に戻って 寝てしまおう。 そう思って、タクシーを捕まえるため 大きな通りに足を向けた。 その日、陽向が 帰ったのは・・・ 深夜2時過ぎだった。 それからは、毎日毎日、帰りの遅い陽向。 もう、俺に「抱いてくれ」と、 強請る事もなくなった。 朝も、俺が会社に行く時間は 寝ていて、帰ってくると居なくて。 それでも、俺の休みの日に家にいる 陽向はいつもの陽向で。 帰りが遅いのは、 「バイトのシフトが変わったから」 と、言っていた。 本当なのかもしれない・・・ けれど、それを確かめる勇気は 俺には もう・・・なかった。

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