38 / 67

グータラなキミと☆13

閉店の時間になっても、あの男は帰らない。 ・・・陽向を待っているんだろうか。 同じ空間で待つのが嫌で、 俺は外で 陽向を待つ事にした。 アイツが、もし・・・陽向と 付き合ってるんだとしても 今の俺の気持ちだけは 伝えよう。 入り口のドアが開いて2人が出てきた。 『陽向。』 『直・・・・、――っ!』 俺を見て、驚く陽向。 ほんの少し、ホッとした・・・ような顔に 見えたのは・・・・俺の願望?なのか。 『行くよ、ヒナちゃん。』 男は、まるで俺なんか見えてないかのように、 陽向の肩を抱いて、強引に歩かせる。 『待って。』 その背中を追いかけて、陽向の手を捕まえた。 そのまま、自分の方に引き寄せようと したけれど、男が陽向を離さない。 両側から引っ張られて、 『痛・・・・っ!』 と、陽向が呻く。 その声を聞いて、俺は 慌てて パッと手を離した。 そこで やっと男も、立ち止まる。 『陽向、話がしたい。』 『・・・・・・・・・。』 『少し時間をくれないか。』 『・・・・・・・・・。』 陽向は、答えてくれない。 どうしたらいいか、分からないようで 困った顔で 立ちすくんでいる。 『君は、ヒナちゃんの元カレだよね?』 急に、男が割り込んできた。 敵意を むき出しにして、俺を睨み付けてくる。 『今さら、なんの用?』

ともだちにシェアしよう!