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グータラなキミと☆16

陽向は しばらく動かなくて、 じっと考えていた。 その顔は真剣そのもので・・・ 俺も、陽向が出した答えを、 受け止めなければ・・・。 それがどんな答えでも。 俯いて、目を閉じていた陽向が、 ゆっくり顔を上げた。 大きく息を吸い込んで 真っ直ぐに俺を見てから・・・ 覚悟を決めたように口を開いた。 『草壁さん・・・!』 ああ・・・・・。 負けた。 ダメだった・・・。 陽向が選んだのは 俺じゃなかった。 『草壁さん・・・、俺・・・俺・・・・』 なかなか言葉が出てこない様子で キュッと目をつぶり、 心を落ち着かせている。 これから陽向は何を言うんだろう。 俺は、呆然とその光景を 未練たらしく 、両手を広げたまま 他人事のように眺めていた。

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