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第2話
昨年大盛り上がりだったハロウィンパーティ。郁人の事だからこれを利用するだろうと思っていたのがやっぱり予想通りの展開。
「俺目当ての女は呼ばなくていいから。今年は朱鳥ちゃん一人に集中したいし、余計なことすんなよ?」
「お前、なんか最低だな……」
郁人はまた忙しそうに携帯を弄っている。すぐに輝樹も合流し、同じ事を郁人に説明された。やっぱり「朱鳥に集中するから女の子は適当に呼んでくれ」と言われ、輝樹も「お前最低だな……」と呟いて笑った。
「なあ、また去年と同じとこでやんの? あそこじゃなくてさ、俺いいとこ見つけたんだよね。自宅風のレンタルスペース。個部屋もあるしさ……」
「あ? 個部屋なんてどうせヤリ部屋になるだろ? そんなのダメ。またDJの奴呼べるんだろ? 音響設備も充実してるしシャンパンタワーもサービスでやってくれるしいいんだよあのクラブで。てか、そもそもそんな自宅風、人数入んねえだろうが」
下心満載で輝樹は言ったもののバッサリ見抜かれ却下される。郁人はチャラチャラしているようでこういうところは真面目だった。
「郁人は派手なの好きだもんな。輝樹諦めろ……」
「うん……」
こうして今年も、郁人達主催のハロウィンパーティーの開催が決まった──
「晶……今年のハロウィン、朱鳥呼ぶって本気かよ」
晶に不機嫌丸出しで詰め寄っているのは一聖 。この男も所謂遊び仲間で、よく一緒にいる仲間のひとりだ。ただこの男は少々乱暴なところがあり、そういう性格から郁人と馬が合わずこの二人はしょっ中ぶつかり合っていた。
「うん呼ぶよ。郁人様御所望だもん、しょうがないじゃん。それに可愛い子が多い方が男も盛り上がるだろ? 」
晶は一聖の顔も見ずに携帯に目線を落としたままそう答える。一聖は郁人の言うことには取り敢えず否定の姿勢で突っかかってくるのが常だったから、晶は内心「またかよ」と呆れていた。
「なにが郁人様だよ、ふざけんな!お前分かってんだろ? 俺が誰狙ってるのか……」
ああ、そうだった。それで怒ってんのね……と晶はやっと顔を上げ一聖の顔を見る。
「知ってるよ。でもそれは無理だって言ってんじゃん。しつこい男は嫌われるよ?」
「………… 」
プイッと無言で一聖は席を立つ。苛々した様子を隠すことなくそのまま教室から出て行った 。
「一聖は勿論出席だよな?」
恐らくはもう聞こえてはいないだろうけど取り敢えずそう一声かけ、晶は出席者の名簿に一聖の名前を記入した。
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