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第39話

「でも宮城さんが、『大学生って言ったら合コン』と言ってましたし。それに行く皆さんが坊っちゃんに会いたいって言ってたみたいだし」 「俺には興味ないから、行っても意味なんてないんだ」 このミクの食い気味様からして、宮城からゴリ押しされたことが読み取れた。 だから俺はこう言ってみた。 「合コンって合同コンパの略。そこで出会った人間と付き合って遊ぶことだ。ミクは俺が他の人間と一緒にいるところを見て楽しいわけ?」 その質問にミクは、まるで意味が分かっていないように首を傾げた。 「坊っちゃんはお屋敷にお友達を連れてきたとないですよね?一人は寂しいからですよ」 「俺は他人と慣れ合うより、専属メイドになったミクと一緒にいたい。そう思ったら、ミク自身は迷惑?」 「え?!」 ……ミクの顔色が少しだけ赤くなった気がした。 だから俺は真上にある彼の顔の頬に手を添えて、真面目に言った。 「友達はいらない。俺にはミクだけいればいい」 「……坊っちゃん、それは寂しいですぅ!!」 殺し文句のはずで言ったことなんだけど。 そう、殺し文句で!! 「……はぃ?」 「坊っちゃんはいずれはこの『徳田財閥』の跡継ぎになるお方。そんなお方が友達との交流がないなんて、今後が不安ですっ」 「あのぉ、ミクちゃん?」 「坊っちゃんの専属メイドとして、これは一大事です!!合コン、行きましょうっ」 なんでなんで、なんで?! なんでミクには殺し文句が効いてないの? 最近の小学生はマセてるから殺し文句は通じるよね? なんでミクには効かないの……。 「……ミク、俺頭痛い」 「仮病ですよね、坊っちゃん。大丈夫です、この愛久が坊っちゃんの友達作りに協力します!!」 なんでそうなる〜〜〜っっ?!

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