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第40話
「こうして俺、徳田 新之助は初合コンに参加することになった」
よりにもよって、なんでGW前の休みの日に、合コンなんてしなきゃならないんだ。
「新さん、硬い硬い!!……硬いのは、挿入れる前にビンビンに反応したチンコだけにして」
宮城のそのセンスのないギャグに、何故か合コン参加者(勿論男)は『キャー』とか『あはは』とか爆笑を受けている。
全く、俺には出会いなんて必要ないのに。
しかし初めて来た居酒屋というものはこんなにも五月蝿いのか。
これならレストラン等の落ち着いた店が好きだな。
「徳田くん、僕キミが気に入ったなぁ。『トモダチ』になろうよ」
馴れ馴れしく俺の腕に絡んでくる小柄な青年が、焼き鳥を差し出した。
「俺はミク以外の人間と馴れ合う気はないんだが」
それはそう青年を追い払うと、宮城は俺のコップにビールを注ぎながら、
「ダメダメ。ミクちゃんから新さんに俺以外の友達を作って、GWを一緒に過ごす約束をしないと帰さないでって言われてるから」
「ここでミクを使うとは汚いぞ、宮城っ」
「小学生と遊んでばかりいないで、少しは同世代の友達と遊びなって。ほら、新さんのっ、ちょっと良いこと見てみたーいっ!!イッキ!イッキ!イッキ!」
するとまわりが俺のビールイッキ飲みを待っていて、仕方なく俺はイッキ飲みした。
「……」
「徳田くんはお酒飲み慣れてるんだ。イケナイ未成年だね」
家で少しワインを拝借して飲むくらいの悪いことは俺でもしてる。
こうなったらトイレ行くフリして抜け出そう。
「すまん、トイレだ」
俺は開始早々トイレに向かった。
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