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第42話

「ミク、待ってくれ。ぺニスが疼いて歩きにくい」 俺を引きずって歩くミクの力は異様に強かった。 成長したミクは力はこんなに強いのか。 「早くここから離れないと、抜け出したことがバレちゃうじゃん。……徳田くん頑張って歩いて」 「待て、車を直ぐに呼ぶ」 俺はスマホをポケットから取り出して、ミクのケータイにかけた。 あ、ミクは目の前にいるんだ……、本人は目の前に。 『はい、愛久です。坊っちゃん友達つくれましたか?』 「あれ?ミク……」 目の前にミクがいるのに、なんでこのミクは俺を必死に引っ張ってるんだ? 俺はまわりを見回してみた。 すると俺と『成長したミク』を見て、ミクが笑っていた。 『あ、坊っちゃんの姿発見しました。友達と仲良く手を繋いでます、合コン成功ですね!』 するとネオン街から見慣れた車リムジンが走ってくるのが見えた。 そのリムジンは俺の目の前に停車し、中からいつものメイドミクが飛び出してきた。 「坊っちゃんっ!!友達作り成功おめでとうございます」 「……あえ?」 俺は意味が全く分からず立ち尽くしていたら、『成長したミク』……違うっ、合コンの隣に座っていた青年が、いきなり俺にディープキスをかましてきた。 「っんんんー!!」(俺は『止めろー!!』と言っている) すると青年は逃げるように捨てセリフを、 「畜生ぉ!!僕は諦めないからな。覚えてろっ」 残してネオンと人波に消えていった。

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