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第56話 告白

「大人の階段登るー、僕はまだシンデレラさぁ」 ミクと一線越えた朝から彼は何故か上機嫌だ。 ……俺のミクから『ハジメテ』をいただいたわけだけど、俺は素直に喜んで良いのか分からない状態になっていた。 だって『してください』とか『あげます』って言われていたしことじゃないから素直に喜べなかった。 しかも俺はシラフじゃなくて、薬を盛られていた。 「坊っちゃん、鞄無造作に床に置いたら汚れちゃいます」 ミクは俺の目の前で屈んで鞄を拾い上げた。 「可ぁ愛いお尻ぃー」 お尻ナデナデ。 「やぁンっ、坊っちゃんはエッチです!!」 こんなセクハラをしてもミクは、恥ずかしがるけど嫌そうな素振りは見せない。 それは俺の専属メイドだからか、それとも素直に俺を恋愛対象として見てくれているのか。 一体どっちなんだろう。

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