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第67話
そうこう話して服を探したけど、結局ミクに着せたい服はメイド服しか見付からなくて、アダルトショップ紛いな服屋で胸の辺りが大きく空く昔懐かしアン◯ミラーズ風のメイド服を色違いで二着と、ミクには内緒でシースルーのベビードールを二着購入した。
やっぱりイカガワシイことが出来る関係になったんだし、変態の俺が購入しないはずがない。
「坊っちゃんはメイド服が好きなんですね」
「違うよ。ミクのメイド服姿が好きなんだ」
そうニヤニヤ俺は笑った。
かなり変態風に笑ってたから、ミクは引くだろうと思ったら。
「坊っちゃんが生き生きしてます!!僕は坊っちゃんにいつもそうしててほしいです」
意外な言葉に俺は戸惑った。
『生き生きしてる』だって?!
変態笑顔がそう見えるなら、俺にとっての変態行動は普通のことなんだろう。
いや、楽しそうに見えるらしい。
「ミクはこんな俺が好きなんだ?」
「好きな人が楽しそうにしてるのを見るのが嬉しいのは、当たり前のことです!!」
ミクはニコニコ笑顔で俺を見上げた。
「じゃあ、俺は毎日ミクといるときが一番生き生きしてるんだな」
「え?」
俺はミクと一緒にいる時間が、一番楽しい。
ミクはどうなんだろう。
キミにとってどの時間が一番楽しい?
聞きたいのに、俺は彼に聞けなかった。
もし俺と一緒にいる時間よりも楽しいことがあったら……。
俺は臆病だ。
恋は『楽しい』と『怖い』の二つを持ってることを、俺は改めて知った。
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