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第69話

店内はパステルの淡い虹色のカラフルな内装で、客層は女ばっかりだった。 ……俺の苦手な生き物だけど、ミクの為だ。 「可愛いっ!!坊っちゃん、奥に羊さんのクッションのあるソファー席があります」 はしゃいでいるミクが一番可愛いよ!! すると奥から女店員が声を掛けてきた。 「あの席はカップル席ですから、ご兄妹のお客様は……」 「問題ない、カップルだ」 「……えっ?!」 俺の答えに女店員は引いていた。 まぁな、普通の反応だよな。 「偽りじゃない。年の差カップルだが問題でもあるか?」 「……あの、坊っちゃん。僕あの席じゃなきゃ嫌だとは言ってませんから」 「キスして見せれば座れるか?」 「かっ、かかかカップル席ご案内しまーす!!」 すると店の客は俺達を凝視していた。 この店は一体何なんだ? 『あの二人勇気あるー』 『カップル席を指名するなんて……、知らないんじゃない?』 小声で話していてもオレには聞こえていた。 このカップル席には何かあるらしいが、ミクが楽しければなんのことはない。 俺とミクは遠慮なくメルヘンチックなカップル席に腰をおろした。

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