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第72話

ブランチを採ってから、ミクはこの店が気に入っているのか店内の内装を写メっていた。 そのときだった 「キミ、可愛いね」 店の外から入ってきた男が、ミクに声を掛けていた。 ミクは不思議そうな顔だった。 それでも褒められていて嬉しいのか、 「?……ありがとうございます」 礼を言っていた。 何か嫌な予感がした俺はミクのもとに近寄ろうと席を立った瞬間となりの客が俺に話掛けてきた。 「あの……、もし可能なら写真を撮らせてもらうことって可能かなって思っていて……」 「シャッターを押すだけなら俺じゃなくても出来るだろう?」 「そうじゃなくて、……連れているあの妹さんみたいに、貴方と一緒に写真を撮らせてもらいたいんです」 ナンパか?! 今はミクが連れ去られるかもしれないという一大事のこんな時に……!! 「俺には可愛い恋人がいる。さっきも見ていたからわかるだろう?!」 ミクのほうをちらっと見たら、男が話しかけている。 そのミクの後ろからもう一人の男が、スマホをミクのスカートの中に向けていた。 ……盗撮だ。 俺は女を無視して素通りして、スマホを奪った。 「貴様、俺のミクに何をしている」 すると男二人は、俺の出現に焦った様子でスマホを奪い返そうとしてきた。 「返せっ、僕のスマホだぞ!!」 「返してやるが、画像をチェックしてからだ」 店の中は騒ぎになっていた。

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