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第87話
合コンと言う割には奴等は俺に酒を飲ませて、楽しんでいるようだった。
普通なら受け身をベロベロに酔わせて半ば襲うようにお持ち帰りするものではないか?
不思議に思いながらもそんなことを考えていた。
そんな俺は限界に近かった。
「坊っちゃん大丈夫ですか?」
ミクの声がしたので、俺は顔を揚げた。
「らっらいちょうぶら!!、ミクはくるまにもどっていろ」
呂律が回ってない俺の声は情けないと思いつつ、ミクを車に戻るように促した。
「大丈夫だよミクちゃん。新さんは僕が介抱するって」
俺は頭を抑えながら心配するミクを見送った。
その瞬間地面が揺れたように感じたが、俺の身体は硬い地面には倒れなかった。
「……?」
俺の両腕には先程の先輩とやらの腕が回って抱き止められていた。
「サンキュー宮城。……悪いな徳田、今日は付き合ってもらうぞ」
……はい?!
先輩の顔が近くまで寄ったと思うと、唇に柔らかい感触があった。
ええええええええええ?!
俺がミク以外とキスだと……?
あまりのショックさに俺の頭は冴えた。
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