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第97話
屋敷の俺の部屋ち着くと、ベッドに倒れ込むように俺は横になった。
「疲れたな……」
「坊っちゃん、お召し物がシワになります。部屋着持ってきます」
「別にいい。どうせ奴に触られた身体だから、風呂に入りたい」
俺はそう言いながらポイポイと服を脱いだ。
「では僕は今からお風呂の支度をしてきます」
「ミクも一緒に入って」
「お背中流します」
「ミクも一緒に風呂入ればいい。話もそこでしよう」
屋敷の風呂は広いし、何の問題も無いだろう。
ミクと風呂に入るのは初めてだし、今更隠すこともない。
千鳥足も何とか解消した今だ、何も言えないようにミクを小脇に抱えて風呂場へ向かった。
「坊っちゃん……、その大丈夫なんですか?」
「何がだ」
「あの……、坊っちゃんは男の人に襲われてしまったんです!!それなのに男の僕に肌を見せるのは抵抗ありませんか」
なんだその少女漫画的思考は。
「スパダリを目指す俺が男に襲われたのは気に食わないが、そもそも俺は受け身なわけでもない。襲われたとしても野良犬から噛みつかれた程度だ」
「……野良犬に噛みつかれたら痛いですよね」
「屁とも思わない。俺からしてみたらすかしっ屁だ」
「オナラは臭いですよ、坊っちゃん……」
うーん、ミクはミクなりに考えてるんだろうけど、俺には到底理解できないだろう。
でもこのおれに優しく仕様としていることは分かったので、そこで話を切った。
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