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第103話
初めての今日の稽古は終わった。
「さすが坊っちゃんです!!とてもお上手でした」
僕の裏にミクが居て、その存在に全く気付かなかった俺は、ミクが存在が薄いからではなく気配を消していることにようやく気付いた。
ランドセルを背負ったままということは、学校帰りなのだろう。
「いや、ミクから見れば俺はヒヨコかなんかだろう」
「そうですな、愛久は弟子の中で一番強いですから、今の坊っちゃんでも交わすことはできないでしょう」
師匠がそういうのだから、本当にそうなのだろう。
「でも力比べなら僕は負けちゃいます」
「だろうな。護身術はいわば相手の力のもとを使うのですからな」
ならばミクは俺に攻められたときは本当に何も抵抗してなかったということになる。
最初からミクはなすがままと言うことだったのだろう。
「では坊っちゃん、僕はランドセルを置いてきますので、待っててください!!」
そう言ってミクはお辞儀をすると、ランドセルからバサバサッと教科書ノートの滝が久しぶりに流れていった。
「ひああっ!!またです、ごめんなさいー」
「ミク、ランドセルの蓋はきちんと閉めろ」
ミクと俺は教科書ノートを拾いランドセルに入れた。
うむ、やはりミクの根本的な可愛さは今までどおりだった。
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