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第106話
ミクと宮城を連れて大学へ戻ると、先輩一同とやらはバタバタと近寄ってきた。
「ひぃぃっ!!犯されるっっ」
宮城は咄嗟に俺の後ろに隠れるが、その一同はミクのもとに駆け寄ってきた。
「えっ、えっ?!」
「徳田を組み敷いた先輩を成敗したのがミクさんなんですか?!」
「あの先輩を倒したってことは、真のスパダリはミクさんだ!!」
そうミクの手を取る者もいれば、手を合わせる者もいた。
ミクの手を取るとは不届き者だ、俺が手を払おうとしたらミクは俺の影に入ってこう言った。
「僕より坊っちゃんのほうがお強いです!!あのときは坊っちゃんはお酒を飲んでいたので僕が代わりに成敗しました。だから……真のすぱだり?は僕じゃなくて坊っちゃんなんですっ!!」
その俺に隠れておずおずと言う姿がとても可愛くて、ミクが俺よりも強いことは黙っておこうと思った。
「じゃあ、やっぱりここの真のスパダリは徳田くんってことになるね」
「だから言ったじゃん。徳田くんが受け身になるはずがないって」
「宮城、脅して悪かったな」
こうして『ちんじけん』は俺の力を出すことなく無事に一件落着した。
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