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♥第11話
透side
最初はあの方たちからお願いされて預かるだけのつもりだった。
でも、少しずつ瑠璃のことがわかるとしだいに独占欲が出た。
たまに可愛いとか口に出してしまったが瑠璃は気づいていない。
そんなある日、瑠璃はけがをして帰ってきた。
誤魔化そうとしているけど僕にはわかる。
日に日にアザは酷くなりついに僕はキレてしまった。
嫌がる瑠璃を無理矢理犯して、傷つけて。
でも、それが瑠璃がますますひどくなるとは思わなかった。
瑠璃は食事をしなくなった。
いつか、倒れてしまうのではないのかとひやひやしたが、僕は瑠璃に会うことにためらった。
そして、瑠璃が放課後帰ってこなかった。
急いでGPSをたどったところ、片道一時間かかるような場所だった。
僕は車を飛ばしてもらいそこに向かった。
目にした光景は、既に遅かった瑠璃だった。
目の下にはクマができ、体は痩せ細く手首からは血が垂れていた。
急いで車に乗せ、体を拭いた。
瑠璃のスマホから豊穣にかけ事情を説明し、献血を頼んだ。
彼はすぐに献血をしてくれた。
医師が来て、
「身籠っておりませんでした。」
その言葉で全身の力が抜けたような気がした。
「ごめん。」
僕は急いで三井 あかりに会いに行った。
また、そんなことで瑠璃が傷つくとは、知らずに。
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