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♥第31話
「瑠璃ちゃん、今日は何作る?」
あれから僕は菖蒲さんとも仲良くなり、毎日一緒に晩御飯を作っている。
「今日は、ハンバーグにしようかなと」
「良いわねぇ‼私たち、ハンバーグ大好きだし。」
この家の居心地はとても良い。
家族愛というか。
でも、幸せはいつか消えるのだろう。
ピンポーン…
「あら、誰かしら。」
「あ、菖蒲さん、僕が行きます。」
開けるとそこには有野さんが立っていた。
「…有野さん。どうして。」
「瑠璃さま!やはりこちらにいらしてたのですね。」
「…帰ってください。もう、僕には関係ないですよね?」
「関係あります。さぁ、一緒に帰りましょう。」
「いやっ!だって、透さんは僕を捨てたのにどうして?!」
「やめてください。」
そう言って僕を後ろから抱きしめたのは、泰久さんだった。
「…あなたは豊穣家の長男。」
「俺らはもう付き合ってるねん。」
「…!?」
「あんたらは瑠璃を見捨てたんやさかい、俺らが瑠璃の家族になる。」
「…わかりました。ここは一旦帰らせてもらいますが、瑠璃さま、私たちは瑠璃さまのご帰宅を待っています。…では。」
そう言って有野さんは帰っていった。
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