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♥第35話
それからは、マスコミが押し寄せてきた。
僕は世間から、ビッチと呼ばれるようになってしまったが、透さんと豊穣家と綾小路家がなんとかしてくれた。
「…瑠璃、本当にごめんね。」
「…仕方なかったことですし、何より、僕の両親を助けてくださりありがとうございました。」
「でも、僕は瑠璃にひどいことを…」
「もー!大丈夫ですから。僕も悪かったし。」
「…。」
バターン!
「瑠璃様~!お帰りなさいませ!!」
「高木さん!…怒ってる?」
「…怒ってます。でも、元気な瑠璃様を見れてそんなものふっ飛びました!」
久しぶりに高木さんの声と体温を感じた。
「有野さんも、ありがとうございました。」
「いえいえ、わたくしは仕事をしたまでです。」
久しぶりにこの家の温かさを感じた。
「…あ、指輪「僕がつけてあげる。」
透さんは僕の手をとると、もう一度指にはめてくれた。
「生涯、あなたを幸せにすると誓います。」
「…はいっ!」
涙が溢れてぐしゃぐしゃになった。
「愛してる。」
透さんはそっと僕のまぶたにキスをして、僕に深いキスをしてくれた。
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