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♥第41話
「瑠璃!…大丈夫?」
病室に駆けつけてきたのは、一瞬女の子かと思うくらいかわいい人だった。
「えっと…?」
「…記憶なくしてるんやね…僕は美和。瑠璃の親友。」
「美和…。ねぇ、美和、僕と透さんってどんな関係か知ってる?」
美和はひどく悲しそうな顔をして、
「…瑠璃と透さんは恋人だったんだよ。」
「…恋人…。」
「まぁ、記憶は少しずつ、取り戻していったら良いやん?…じゃあ、瑠璃、またね。」
美和は帰っていった。
僕は、透さんと恋人…。
僕は…僕は…どうして記憶をなくしたの?
机を見ると、小さな箱があった。
…これ、指輪。
「うっ…痛い!痛い!痛い!」
ひどい頭痛が襲ってくる。
「~…透さん、大好き!…」
「~…やだ、離れないで!…~…」
「~…瑠璃…ごめんね。…」
記憶の一部が一気に入ってくる。
「あぅっ!…いつのっ記憶?…」
看護師が来たときには僕は意識がうっすらとしていた。
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