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♥第52話
透さんが観念したかのように、僕に行こうと言ってきた。
「その代わり、早く帰るからね?」
「わかりました!早く行きましょう!」
正直不安だけど、透さんを産んで育ててくれた人たちだから安心出来る。
着いたのはとても豪華な豪邸だった。
美和の家とは違って洋風の広い豪邸。
玄関にはメイドさんや、執事さんが沢山待ち構えていて、
「お帰りなさいませ!おぼっちゃま。」
そして奥から出てきたのは気品のある清楚な女の人
「お帰りなさい。透、そして、瑠璃さん。」
透さんのお母さんだった。
「はじめまして、瑠璃さん。私は、東雲 咲楽(さくら)です。あなたの母の紗良さんと高校からの友達です。」
優しい笑顔で言った。
「そうなんですね。えと、改めまして、僕は瑠璃です。」
何故か隣で不機嫌そうに透さんがお茶を飲んでいる。
「透、明らかさまに嫉妬しないでちょうだい。」
嫉妬?
「瑠璃のこと母さんが気に入るのは分かっていたし、どうせ父さんもきっと気に入るから。」
「だって、瑠璃さん紗良に似ていて可愛らしいもの。」
「それは見た時直ぐにわかったよ。」
僕を置いて親子で口喧嘩をしている…。
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