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「はは、やっぱデケェな……」 恍惚とした表情を浮かべる彼に、指先で先端をくるくると撫で回される。もうそれだけで俺の愚息は反応してしまって。ただでさえご無沙汰なのだ。目の前にこんな色気を振りまく相手が居れば当然。 「…若いっていいねえ」 ふう、と裏筋に息を吹きかけられてほぼ完勃ちだ。根元をゆっくり食むような唇の動きがもどかしい。 同じ男同士。どこが良いかなんて、言わなくても分かるだろうに。 「ハル、さん…」 見つめる視線が、言えよと急かす。一度、唇を噛んでから小さく音にする。 「…もっと、上……先の、ほう」 そこからは早かった。 言い終わるか終わらないうちに、竿を舐め上げられ、あっという間に先端へと到達する舌。亀頭をぐるりと一周して口内へ迎え入れられれば、穴からじわりと染み出す液体を感じた。 「う、あっ……ちょ、…」 なんで躊躇いもなく咥えられるのか、とか。意外と口は小さいんだ、とか。 そんなことを考える余裕なんてなかった。 (な、んなんだ……上手すぎんだろ…っ) 今までの彼女達とは比べ物にならない。舐めて、しゃぶって、吸い付くして。心の底から求めるような愛撫に、限界が近づく。 「…飲んでやるから、出せ」 ちゅう、と先端に唇を落とされ。固く張った玉袋を揉み込む手つきがいやらしすぎて、目の前がチカチカする。 「ほら…」 ―――…は や く 細く尖らせた舌で、穴を抉るようにつつかれた瞬間。腰骨あたりがぞわぞわと震えて。絶頂まで一気に駆け上がる感覚を味わう間もなく、精を吐き出した。

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