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1人でする時とは違う。彼女にしてもらった時とも違う。 あまりの快感に放心していると、噎せる声が聞こえてきた。 「あ…!す、いません!」 慌てて背中を擦ると、緩く首を振るハルさん。 「…いーよ。出せって言ったの俺だし」 にしても濃かった、と。 舌と指の間で糸を引く残滓を見せつけられて、思わず赤面する。 「そりゃそうか。彼女にぶっ掛けてやる予定だったんだもんなぁ」 振られたことを知っていながら、からかうように笑う姿にムッとする。文句のひとつでも言ってやろうと顔を覗き込んで。 「え……」 一瞬、彼の瞳が大きく揺らいだ。 「あ、の―――…」 「…さて」 俺の言葉を遮って、ハルさんが顔を上げる。その目には先程の名残は欠片もなくて。 見間違いかと戸惑う俺の手を取り、自らの股間へと(いざな)う。 「あれで終わりなんてことは…ねーよな?」 綺麗に微笑む相貌と、手のひらに感じる熱い昂りの淫靡なコントラスト。 堪らなくなって、喉元に喰らいついた。

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