12 / 89

*12.

部屋も、吐息も、体温も。 信じられないくらい、あつい―――… 「きれいに、してないから……これで…勘弁しろ、よな」 太股を交差させて腰だけを高く上げうつ伏せになる姿は、例えようもなく卑猥で。 収縮する穴の下に誘導されて、それでも一瞬躊躇う。 流されて良いのか――― 動きを止めた俺を振り仰ぐハルさん。 「……俺じゃ、ムリ?」 少し眉を下げながら切なそうに笑う表情を見て、自分の中で何かが音を立てた。 思っていたよりずっと細い腰を掴み直し。 そのまま伸び上がって、耳朶に唇を寄せる。 「今日は我慢しますから……精々しっかり締めてください、ね」 ひくりと震えた内股を無視して身体をグラインドさせると、滑る性器が擦れ合って思わずため息が出た。 くびれの部分を抉るように亀頭を押し付けた瞬間、目の前の肩が大袈裟な程に跳ねて。 華奢な肩をさらに縮こめるようにしてシーツを手繰り寄せるその姿に、思わず口角が上がるのを感じた。 「……ココ、ですか」 びくりと反応した後に首を振っても、もう遅い。竿に手を添えてわざとゆっくり動かしながら、滑らかな背中に舌を這わせる。 「ふ……っ、ぅ………」 綺麗に鍛えられた背筋がしなり、手の中の性器も強く脈打ち苦しそうだというのに、抑えたような嬌声に少し腹が立つ。

ともだちにシェアしよう!