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実は、途中から酔いなんて冷めていた。 いくらウイスキーに弱いとはいえ、チョコレートの中に入っている量だ。そう長くは持たない。 扉の閉まる音を聞いてから、どれくらい経っただろうか。のそりと体を起こしてベッドから下りる。 部屋に備え付けてあるシャワー室へ入って、思い切りコックを捻った。 冷えきった体に、熱い湯が染み渡る。 『…俺なんかにちょっかい掛けてないで、ちゃんと―――…』 続く言葉は聞こえなくても、何となく察してしまって。 「……ふ、…っ」 ずるずると壁伝いに座り込んだ。俯く頬にも、伝う水滴。 降り注ぐ、雨のような音を聞きながら。ただ自分の身体を抱きしめるより他なかった。

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