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19.
サークルを終えて、そのまま新宿に向かう。少し遅くなってしまったものの、まだ外が明るいことにほっとする。
(学校から近いって便利だよなぁ)
ゆったりと歩を進めるうちに、気になる後ろ姿を見つけた。見慣れたそれは、隣の人物と仲良く話していて。
(芹生…?)
一緒に居るのは―――…
(…はは、マジかよ)
明るい髪色、スラリと伸びた手足。
見間違えるはずもない。今まさに俺の頭を悩ませている男。
連れ立ってどこへ行くのか気になり、そっと後をつける。
そしてすぐに、やめておけば良かったと後悔した。
芹生の腰に手を回し、紳士的にエスコートしながら向かう先は。
(ふうん……ラブホ、ねぇ)
あの人は、出てきた所に俺が現れたらどんな顔をするだろうか。芹生には悪いがどうしても見てみたい。
少し考えて、向かいのガードレールに腰掛けた。
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