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「うおっ、と………」 バタバタと足音が聞こえて視線を上げれば。芹生が1人で降りてくるところだった。 思わず顔を背けてしまう。 こんな至近距離でも俺に気づかないなんて、よっぽど急いでいるのか。 慌ただしい背中が遠くなってから、ふと息をついた。 (何で一緒に出て来ねぇんだ…?) 疑問が首をもたげる。入って行く時の様子は、無理矢理には見えなくて。 (わっけわかんね………) ともかく、俺のお目当てはまだこの中。 がしがしと頭を掻いて、待つことにした。

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